米倉律 研究室ブログ

ゼミのこと、大学のこと、世の中のこと…

合唱音楽  

 毎年、NHKの学校音楽コンクール(Nコン)を楽しみにしている。
 今年、最も印象的だったのは高校の部で金賞を取った鶴岡北高校(山形)の合唱だった。二度目の出場で優勝した同校は自由曲で「贈り物」という歌を歌った。この演奏が本当に素晴らしかった。

 「贈り物」の歌詞は、詩人・高階杞一による次のような一節から始まる。

 夢にも かえってゆくところがあるんだろうか
 明けがたの人通りの少ない道で
 ふいに 不審尋問されたとき
 はっきりと答えられるような場所があるんだろうか

 そして、夢が「星座のように積み上げられた場所」があったなら、そこから「一番すてきな夢」をもらってきて、想いを寄せる相手にそっと届けたいといった内容の言葉が続く。

     夜景②


 この少々感傷的で甘やかな詩の言葉はしかし、横山潤子という作曲家によってつけられた旋律・和声と、それを歌う人間の肉声が織りなすアンサンブルとによって、詩や旋律だけでは決して生み出されることのない、奇跡的に美しい音楽となる。
 それはヴァルター・ベンヤミンが「アウラ」と呼んだ一回性の感覚のようなものをさえ伴っている。
 
 高校生たちが本当に共感しながら歌っているのだということがよく分かる、その鶴岡北高校の合唱は、あまりに美しく感動的で思わず涙を流しながら聴き入ってしまった。
 そして、ベンヤミンだの、一回性だのといいつつも、Nコンの放送をしっかり録画保存している私は、その後も何度も繰り返し見ている。そしてあろうことか、そのたびに涙を押さえることができない。


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Posted on 2016/10/14 Fri. 02:17 [edit]

category: 趣味

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